公開: 2020年4月22日
更新: 2020年4月22日
フェニキア文字は、紀元前1,000年頃、現在のレバノン一帯を支配していたフェニキア人が使っていたフェニキア語を書くための文字で、一つ一つの文字が22の音素に対応する、表音文字です。音素とは、言葉を発するときに使う一つ一つの短い音に対応する要素です。言葉の発音は、この音の要素を組合わせて作られます。
フェニキア文字では、現代のアラビア文字と同じように、22種類の文字で表されるのは、アルファベットの"b"、"k"、"n"、"p"、"s"、"t"などの文字で表される子音だけです。"a"、"i"、"u"、"e"、"o"などの文字で表される母音は、子音の列で示される言葉から、自動的に決まります。その意味では、古代ギリシャ語から始まった表音文字とは、少し違っています。